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・電磁波の安全基準は、決められているの?
・電磁波の安全基準はどれくらいなの?
上記のようなお悩みに答えます。
本記事をご一読いただくと、以下のポイントが理解できる内容になっております。
結論、電磁波の安全基準は決められています。
家電製品からも電磁波が出ている訳ですが、家電製品は基本的に、規制がかかっており、電磁波の安全基準に基づいて作られているので、普通に使う分にはさほど心配する必要はありません。
しかし、浴びすぎると問題につながることがあります。
電磁波は、過度に浴びすぎると我々の身体に悪い影響を及ぼし、例えば、生体電流の乱れやシミ、シワなど、様々あります。
電磁波が及ぼす悪影響について、詳細が知りたい方は「【あなたは大丈夫?】電磁波の与える影響と、その対策」をご覧ください。
本記事では、電磁波の安全基準について、詳しくお伝えします。
また、電磁波を抑制した製品を見分ける方法として、「EMC規格マーク」もご紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
本節では、電磁波の安全基準について、実際にどのような基準があるのかをご紹介します。
電磁波の安全基準は、電波や紫外線、X線・γ線に設けられた基準や、「スマホ」「寝室」など特定の種類の製品や場所に設けられた安全基準もあります。
そこで、まず「電波」「紫外線」「X線・γ線」に設けられた安全基準について順に解説します。
ここでは、電波に設けられた安全基準についてお伝えします。
このように私たちの身の回りには電磁波が飛び交っています。
電波の安全基準については、「SAR」という基準に基づいて調べられます。
身体全体に変化が現れる基準値は「SAR=4W/kg」であり、職業環境・住居環境によって電波の安全基準値が異なります。
以上、SARによる電波の安全基準測定方法をお伝えしてきましたが、人体のSARを直接測定することは困難であるため、人体を模擬した「ファントム(人体と同じ電気的特性を持つ液剤を注入した人体型容器)」の中を、電界プローブで走査して測定する場合が慣例です。
電磁波抑制の指標として、表向きはSARの測定をすることになっているのですが、この測定方法は実際に煩わしいです。
そのため、電波の強さを表す「4つの物理量」により、電磁波の抑制具合を確認しても良いことになっています。
【4つの物質量】は、以下の4つです。
E [V⁄m]・・・電界は電気の力(静電気力=電位差)が及ぶ空間、電界強度はその力の強さ。単位[V/m]は、1m離した金属平板間に電圧1Vをかけたときに生ずる電界強度1 V/mを基準に表す。
H [A⁄m]・・・磁界は磁気の力(磁力)が及ぶ空間、磁界強度はその力の強さ。単位[A/m]は、電流1A流れる導線の半径1m離れた位置に生ずる磁界強度1 A/mを基準に表す。
S [mW⁄cm^2 ]・・・単位面積当たりに到達する電波の電力。単位[mW/cm2]は、単位面積を1cm^2、電力をmWで表す。
B [T]・・・単位面積当たりの磁束。単位[μT]は、5Aの電流が流れている導線から1m離れた位置で働く磁界k強度1μTを基準に表す。
電波を発する製品は、上記4つの物質量により、電波防護管理が行うことが義務付けられています。
以下は具体的な規制値を示す表です。
*上図は総務省 HP 「電波防護指針」を参考に筆者が作成
上記のグラフには電力束密度(S)の値が記載されていません。
これには実は、10kHz、100kHzなど、周波数の低い製品は、電界と磁界が別々に作用するため、電力の量が少ないことに由来しています。
家電に関する電磁波安全基準【実際に使用している時】
先程お見せしたのは、製品を「作る」時に課せられている電磁波の安全基準についてです。
私たちが製品を「実際に使っている」時の電磁波安全基準については、一般社団法人 日本電磁波協会「EMFA」が公開しており、例えば、住まい(家電など)の電磁波安全基準を公開しています。
EMFAによると、以下の安全基準となっています。
電場基準:25V/m以下
磁場基準:2.5mG(0.25μT)以下
引用元:EMFA HP 「セーフティガイドライン」
*上記基準は、トータル6分間の平均であり、磁場についてはトータルの「15mG」(2.5mG×6分)を基本単位とする場合があります。
上記の安全基準を満たした上で(特に「磁場」を低くすることが、電磁波の影響を防ぐために重要です。)家電を使用することで、電磁波の影響を抑えることができます。
個々の家電の電磁波値や、もっと詳しい電磁波の対策方法について知りたい方は「【強いものはどれ?】家電から出ている電磁波について解説」をどうぞ。
紫外線の安全基準は、GLA(Global Lighting Association)という団体が、安全ガイドラインを定めています。
*放射エネルギー 30 J/m2以下のUV-C下で8時間就業する場合。上図はGLA HP「UV-C安全ガイドライン」を参考に筆者が作成
厳密に言うと、上記は「UV-C」という紫外線の安全基準を示したものです。
紫外線の中でも特に波長が短く、高いエネルギーをもつ紫外線のことを「UV-C」と呼びます。
一般人に対する被爆許容量の基準は「年間1mSv」となっています。
詳細が気になる方は環境省のHPをご参照ください。
前の節でご説明したのは、電波や紫外線、X線・γ線に設けられた安全基準です。
次に述べるのは、「低周波」「スマホ」「寝室」で使われる電磁波抑制の安全基準についてです。
「低周波」「スマホ」「寝室」の順でお伝えします。
実は、低周波の電磁波に関する安全基準は、世界的には「ガイドライン」という形が取られており、「規制」までは行っていません。
低周波の電磁波安全基準は、以下のようになっています。
*上記表は、J-Power 送変電 HP「知って安心電磁界安全基準は?」を参考に筆者が作成
上記表のように、磁界強度に関しては、国際ガイドラインも日本の方針も安全基準が同じですが、電界強度に違いがあります。
低周波だけでなく、スマホにも電磁波安全基準が設けられています。
スマホは「みんながたくさん使う製品」ということで、安全基準が定められています。
電磁波の安全基準値は以下の通りです。
*上記表は、総務省 HP「 電波防護のための基準の制度化(関係法令)」を参考に筆者が作成
ご覧の通り、スマホは周波数によって、SAR(比吸収率)やS(電力束密度)の値を測定することで、電磁波の安全基準を決めています。
また、スマホの電磁波安全基準については、各通信事業者(au、ソフトバンク、ドコモなど)が機種ごとのデータをHPで公開しています。
興味のある方はお調べ下さい。
寝室にも、電磁波の安全基準が設けられています。
一般的に、我々の睡眠時間は6~8時間であり、多くの時間を寝室で過ごしていると言えます。
壁内側に張り巡らされた導線による低周波電磁波からの防護を目的として、以下の安全基準があります。
*上記表は、EMFA HP「EMFA セーフティガイドライン」を参考に筆者が作成
なお、電磁波の異常度合に関しては、「弱度以下」が望ましいとされています。
ここまで、電磁波の安全基準についてお話してきました。
製品を製造する際や家を建築する際などに、既出の「電磁波の安全基準」が存在するおかげで、我々は電磁波の影響を極力減らした状態で生活することができます。
しかしここで考えておきたいのは、「全ての製品に対して、電磁波を大幅に抑制する努力をされている訳ではない」ということです。
例えば、あなたが「家電量販店に電子レンジを買いに行っている」ことを想像してみて下さい。
安くて高機能な素晴らしいモノがあって購入しようと思っても、実は電磁波をたくさん放出している可能性があるということです。
ここで生じる疑問として、「製品が電磁波を抑制しているかどうかを判別する方法はないの?」が考えられますが、実はその方法があります。
それは、「電磁波抑制のマークを見る」ことです。
電磁波抑制マークを見よう【電磁波抑制製品の見極めポイント】
「電磁波を浴びすぎると人間の身体に悪い影響を及ぼす」という指摘が多くなるにつれて、
「電磁波を抑制している製品を推奨しよう」という動きが世界的に活発になりました。
その動きの一環として行われたのが「EMC規制マーク」です。
つまり、このマークは、いわば「電磁波をきちんと抑制しているかどうかのバロメーター」と言える訳です。
世界では、以下の画像のようなマークにより、電磁波を抑制した製品を区別しています。
*上記画像は、著者がe-オータマHPから取ってきたものであり、VCCIのアイコンを追加したもの。
ご覧の通り、世界にはエリア毎に電磁波抑制マークが存在し、たくさんあることが分かりますが、実はこれらは全て「EMC規制マーク」という種類のマークです。
欧米を中心として、CISPR(国際無線障害特別委員会)という国際組織による規格に準拠したEMC規格マークを製品に取り付けることが標準化されています。
一方、日本ではこれに準じて、VCCIと呼ばれる協会が、EMC規格マークの認定を行っているのが現状です。
EMC規格マークが付けられている製品は、電磁波を抑制していることが正式に認定された上で、取り付けが許可されるのですが、認定されるには、例えば、以下の条件を満たす必要があります。
以下は、工業用や科学用の高周波装置の電磁波安全基準です。
(「工業用」などの言葉から分かる通り、主にビジネスの現場に関わる安全基準です。)
*上記表は、ラボテック・インターナショナル株式会社 HPを参考に筆者が作成
上記表の通り、EMC規格は「クラス」によって分けられていることがあります。
この条件をクリアして初めて、認定を受けて、EMC規格マークを取り付けることができます。
電磁波を抑制した製品をお探しならば、「EMC規格マークがついた製品を買う」ことを意識することで、思い通りの買い物につながるでしょう。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
本記事では以下のことについてお伝えしました。
本記事では、電磁波の安全基準について解説してきましたが、電磁波が及ぼす悪影響について、知りたい方は「【あなたは大丈夫?】電磁波の与える影響と、その対策」をご覧ください。
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